2007年7月9日月曜日

どんな時も手放さず手もとに置いておきたいと思う本

一生のうちで、どんな時も手放さず手もとに置いておきたいと思う本と、何冊出会うだろうか。
そんな本を読み終わった。

「Zen and the Art of Motorcycle Maintenance」
日本語のタイトルをつけるとすれば、「禅とバイク修理技術の心」といったところだろうか。

今考えてみれば、この本に初めて出会ったのは12年前、僕が17歳で北海道にいた時だった。僕はその頃バイクに乗って旅をして、知床の羅臼という町で働いていた。羅臼のある宿で出会ったバイク仲間がこの本を読んでいて、「難しいけどとても面白い本」だと言っていたのを覚えている。表紙には、日本語で「禅とオートバイ修理技術」とか書いてあったと思う。禅にもバイクの修理技術にも興味のなかった僕は、「ふーん」ととりあえず感心した振りをして、話を流した。

それから12年が経ち、2ヶ月ほど前になぜかこの本が頭に浮かび、「読んでみようかな」と思った。なぜそう思ったのかは全く思い出せない。ただ漠然と思い出したのだろう。
Amazonc.comで検索してみると日本語は絶版になっていて、Readers’ Reviewのところには、「哲学などの予備知識がない人にはとても難しい本」とかいうようなことが書いてあった。読もうかなと思っていた僕はこのレビューになんとなく気をそがれ、読む気をなくし、この本のことは忘れていた。
それから何日かしたある日、友人の家に遊びに行った僕は、ゴールデンウィークに何か旅先で読む本が欲しかったので、その彼に「なんかいい本貸してよ」と頼んだ。「ちょっと待って」と、彼が押し入れの奥を探り始めたので、僕はリヴィングの書棚に積み上げられた本をなんとなく眺めていた。積み上げられた本の一番天井に近いところに、この本「Zen and the Art of Motorcycle Maintenance」があった。僕は、「おっ」と思い、ついでにこの本も貸してもらった。

今考えると、こんな本との出会い方も全部変な縁があったんだなと考えてしまう。

つづく

PS. みなさんの、「どんな時も手放さず手もとに置いておきたいと思う本」はなんですか?