2007年8月9日木曜日

上高地・穂高

久しぶりに、母と二人で旅行に行った。

上高地と穂高。

2年前、アフリカから2年ぶりに日本に帰ってきて最初のゴールデンウィーク、友人と上高地と穂高に行く計画を立てたが、冬山の道具を揃えたりとか色々面倒そうだったのもあり、その話は立ち消えになり、結局その年は八丈島へ行った。

それから上高地と穂高にはずっと行ってみたいと思っていた。

母は今までに何度か上高地に行ったことがあり、大学時代には穂高連峰を縦走したこともあるそうで、土地に明るく、なにかと助かった。

バスを降りて、最初に着いたのは大正池。
エメラルドグリーンの池の向こうに雪を抱いた穂高連峰が見えた。





初日は穂高連峰のふもとの徳沢という所でテントを張った。



翌日、まずそこから涸沢という氷河に削られた谷まで登った。山道を800メートル近く登り、標高2000メートルを越えたあたりから雪渓が見えてきた。谷に入ってから涸沢のヒュッテまではその雪渓を登った。雪解けの水が雪渓の下から音をたてて流れていた。これが梓川に注ぐのかなと思った。



息を切らし、滑ったりしながら雪渓を登り、途中の岩場で休憩をした。そこでうちの近所で取れたトマトを食べたら、今まで食べたトマトの中で一番おいしかった。

昼過ぎにやっと涸沢ヒュッテに着き、穂高を見上げながら昼食をとった。母はそこの山小屋に宿をとり、僕は一気に奥穂高岳まで登ることにした。


涸沢から山頂までは、それまでとは一変して、崖に這いつくばり、岩に手をかけながら登っていく道のりになった。まあ、道などなかったが。「ここから落ちたら死ぬな。」というところも何ヶ所かあった。


実際、翌日下山した時に涸沢の長野県警山岳救助隊の小屋の前にある掲示板に「山の事故:死亡1名」と出ていた。2,3日前にこの付近で岩を踏み外したか、手を滑らせたかで滑落した方が亡くなったそうだ。

涸沢から900メートル登った山頂付近、急峻な崖でふと顔を横に向けると、小さな黄色い花が咲いていた。その花は、吹き付ける風の中、木も生えない標高3000メートルを超える山の中でひっそりと咲いていた。


天候にも恵まれ、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳にも登り、とても素晴らしい3泊4日の山行だった。