2006年7月5日水曜日

ミャンマーの人々のこと

僕の友人が作った番組、「BSドキュメンタリー・国境地帯の避難民を救え~シンシアと国際医師団~」を見た。

今、ミャンマーとタイの南北1000キロにわたる国境地帯には200万人にのぼるミャンマー難民が暮らしている。

「8888 Uprising(8888民衆蜂起)」
1988年8月8日、当時のミャンマー軍事政権に対して、ミャンマー国民は民主化を訴えた。この蜂起はしかし、その年の9月18日、軍事政権の武力弾圧によって幕を閉じた。この武力弾圧により、数千人の市民が殺され、多くは隣国タイとの国境地帯のジャングルに逃れた。

そして現在も政府軍と反政府軍による武力闘争は続いており、今年の3月から5月までの間だけでも新たに2000人のミャンマー市民が家を焼かれ、隣人を殺されながら、タイ国境地帯に難民として逃れた。

シンシア・マウンさん(46)は自身も18年前、この弾圧を逃れ国境地帯のジャングルに辿り着いた難民だ。しかし、難民キャンプで悲惨な暮らしを送る人々を目にし、彼女は医師として、診療所を開いた。現在彼女の診療所では、医療から見捨てられた難民たちが無償で治療を受けることができる。
この難民キャンプ、およびその周辺部のジャングルに難民として暮らす人々の生活環境は劣悪で、マラリアなどで多くの命が失われている。まさに見捨てられた人々だ。
シンシアさん、そしてこの診療所のほとんどのスタッフは自身も難民で、同じ立場の隣人を救うために献身的な活動を続けている。

僕は、村を焼かれ、家を焼かれ、隣人、友人、家族を殺され、このタイ国境地帯のジャングルに暮らすミャンマーの人々のことを何も知らなかった。

僕には何ができるのか?
僕は何をしているのか?

それを考えさせられた。