2006年6月18日日曜日

おやすみサンドロ

「おやすみサンドロ」

この歌は、ドキュメンタリー映画「Bus 174」を見てできた歌です。

2000年6月12日ブラジルのリオデジャネイロで、1台のバスが強盗に襲われた。
21歳の青年、サンドロ・ロサ・ド・ナシメントは10人の乗客を人質に取り、4時間にわたって警察と睨み合いを続けた。
彼は、人質をとった強盗が普通するように、人質の解放を条件に何かを要求する、ということはなく、警察に向かって、「お前ら今日はどうしたんだ!いつもの威勢はどうした!ほらいつものようにやれよ!撃ってこいよ!皆殺しにするんじゃないのか!?カンデラリアにも俺はいたぜ!イヴォンヌに聞いてみろ!」と叫び続けていた。

「カンデラリアの虐殺」
カンデラリアというのはリオデジャネイロの中心部にある教会で、たくさんのストリートチルドレンがここを根城にして暮らしていた。
1993年7月23日夜、カンデラリア教会の軒先で寝ている子供たちを警察が襲った。
この襲撃で8人の子供たちが殺され。サンドロも殺されかけたが、なんとか逃げ延びた。

彼はこのあと、橋の下に身を潜め暮らし始める。

サンドロ・ロサ・ド・ナシメントは、1979年、ブラジルのファベーラと呼ばれるスラムで生まれた。
ギャングの抗争や警察の襲撃はファベーラでは当たり前の出来事だった。
サンドロの父親は、彼がまだ母親のおなかの中にいる時何者かに殺され、サンドロは母親と妹と3人で暮らしていた。
彼のことを何よりも大切に愛し育ててくれていたその母を、彼は6歳の時に亡くしている。
サンドロの目の前でナイフを突き立てられ、死んでいった。殺人だった。
このあと彼はおばさんの家に引き取られ暮らし始めるが、母の死を受け入れられず、しばらくの後、ひっそりと姿を消した。

カンデラリア教会の虐殺を生き延び、橋の下で暮らし始めたサンドロは、そこでたくさんの子供を抱えた女性に出会う。
彼は、この家族のために強盗を働き、その金で家を買い、プレゼントする。その女性から、「一緒に暮らしましょう。」と言われるが、サンドロはまた姿を消してしまう。

そして少年刑務所を何度も出たり入ったりしたのち、彼は真っ当に生きていくことを決意する。
カンデラリア教会の路上で暮らしていた頃に世話になったソーシャルワーカーのイヴォンヌおばさんに相談し、仕事を探し始めた。
しかしいくら仕事を探しても、小学校も出ておらず、読み書きもできないサンドロを雇ってくれるところはどこにもなく、失意の中イヴォンヌおばさんのところに戻ってくる。
そこでサンドロは、「読み書きもできない僕に仕事なんかできる訳ないよ。僕がバカだったね。何か仕事について真っ当な道に戻ろうって思うなんて。」と話し、励ますイヴォンヌの言葉もサンドロには届かなかった。

そして最後に彼が起こした事件が、2000年6月12日のバスジャックだった。

2 Comments:

Anonymous 匿名 said...

どうも、こんばんわ。
この曲はまだ聴いたことないですが、「Bus174」見てみたいです。日本では2005年公開だったようですが、DVDとかでてるんですかね?
良かったら教えてください。おすすめ映画もおしえてサンドロ。

6月 19, 2006

 
Anonymous 匿名 said...

面白そうな映画だねえ。
東京は、いろんな映画が見られるっつーのがいいよね。
日記読んで、おやすみサンドロの歌詞を
知りたくなったよ。

それと、ケニアに関する映画で「ナイロビの蜂」っていうのが今日本でやっているみたいだけど、それも見てみたいなあ。
それとももう見に行った?

こっちはかなり選択肢が限られていて、
無名のカメルーン人がとった超マイナーなインディーズ映画か、超有名な映画かのどっちか(最近ではダビンチコードとか)。
面白い映画見たいなあ。。。

6月 20, 2006

 

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