2006年8月17日木曜日

Hope

7月30日からのInternational Summer Camp for Orphansが終わった。

キャンプ中、ある日の夜、スリランカの子供達が僕にギターを弾いてくれと言って聞かない。
去年のキャンプにも来ていた子供達だ。去年はバスの中でこの子達に何曲か歌った。

スタッフミーティングの前だったけれど、仕方なくギターを持ってきて歌いだした。

何曲か歌っていると、他の子供達も集まってきて、夜空の下、月明かりの中、みんな手をつないで踊りはじめた。笑顔で楽しそうに。

僕の隣には、Jeevithaという女の子が座っていた。
スリランカ北部、Jafnaという町の近くからやってきたタミール人の15歳の女の子だ。

スリランカでは、北部地域を勢力下に治める“タミールイーラム解放の虎”というタミール人ゲリラ組織と、シンハラ人が構成する中央政府の間で、1978年から戦闘が続いている。

僕はギターを弾き歌いながら、隣に座っている彼女に目を向けた。
Jeevithaは、月明かりの下楽しそうに踊る子ども達を眺めながら、目に涙を浮かべていた。

日本に到着した彼女を見てまず気づいたのは、去年に比べとても痩せていたということだ。「生活はどう?学校には行けている?」と聞くと、「爆弾の音や、銃撃の音が怖くて安心して暮らせない。」と言っていた。

彼女にとって、月明かりの下、ギターと歌に合わせて子供達が踊る光景は本当に特別なものだったのだろう。

彼女の夢は、NASAで働いて、宇宙飛行士になることだという。
しかし、このままゲリラと政府軍の戦闘が続くスリランカ北部で暮らしていたらその夢の実現はほとんど不可能だろう。
彼女には何の罪もないのに。

Jeevithaが、Thushantiniが、Urvashiが、Mezghanが、そんな子供達が、夢を持ち、可能性を信じられる、そんな当たり前の世界を僕たちが作っていかなくてはいけない。

子ども達は未来への鍵を持っている。
僕たちには、その鍵を使える世界を作り、守る責任がある。

Each one of children holds the key to our future.
And each one of us bears resposibility to create and protect the world in which they can use their key.